クラウドもOSSへ

クラウドコンピューティングへの流れは、ほとんど必然である。クラウドにより、システムの機能は物理的バックグラウンドから解き放たれ、システム担当者には少しだけ眠れる夜が戻ってくる。

そんなクラウドコンピューティングにも、やっと方向性がでてきた。

この記事によれば、Amazon Web Services (AWS)が、IaaS(クラウドのうち最もハードに近いサービス形態)の実質的な標準仕様になったことにより、各クラウド事業者がAWSとの互換性を競うようになったとのことである。だからと言って、これはAmazonの一人勝ちを意味しない。他社にとっても開発目標を定めることが出来るので損にはならない。

一番ありがたいのは、やはりユーザ企業であろう。「クラウド事業者によるロックイン(囲い込み)を避けられるからだ」(記事)。クラウドの一番の問題は、基幹あるいはそれに近いシステムの命運を、サービス提供者に握られてしまうところにある。価格支配はもとより、企業破綻などでサービスの継続ができなくなる危険もある。サービス仕様が標準化されると、ユーザが事業者を乗り換えるための障壁が低くなるので、これによる利益はたいへん大きい。

この記事に登場するもうひとつの重要な単語は、「OpenStack」と「CloudStack」だ(クラウド基盤に関するOSS)。新しい技術やサービスはOSS(オープンソースソフトウェア)化することにより、標準化される。技術を公開する側の企業も、優秀な外部の協力者の叡智を結集できるので、実はOSS化で大きな利益を得る。

OSS化を最もうまく利用して成長したのが、Googleである。

IBMのクラウドサービスがOpenStackに移行

最近のIT関連記事の紹介。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20130802/496226/

IBMは既に、クラウドサービスの基本ソフトをOpenStackに移行すると発表しているが、今回メインフレームの仮想環境管理APIをOpenStackに対応させた。商用サービスがオープンソースを採用する流れは、クラウドにまで及んできた。

この記事でもうひとつ興味深いのは、メンフレ専用OSがJSONに対応したこと。記述が冗長なXMLの代わりとして、YAMLが期待されたが現状ではあまり広まらず、それよりもっとバカチョンなJSONが、特にモバイル界隈のデファクトスタンダードになりつつある。IBMはメインフレームでもモバイル端末を意識していることの現れだ。 そう言えば、最近解析したAndroidのマルウェアでも、サーバとの通信にJSONを採用していた。

モバイル開発はJSONで行きましょう。

Dropbox & ownCloud

例のウイルスが置かれていたサイトはDropboxである。Dropboxは、ネットワーク越しのデータ保存庫である。PC以外にスマートフォンなど別の端末で作業する機会が増えてきた昨今では、必要性が高まっている。Webdavなど他のシステムに比べての優位点は、端末上のファイルが自動的に保存庫と同期されるところにある。さらにロールバック機能もある。グループで特定のファイルを共有することもでき、変更が即時にグループ内全員に行き渡るので、git的使い方もできるようだ。 料金は2Gまで無料。100Gで月10ドルである。無料で2Gもあるから、USBメモリを持ち歩くより簡便かもしれない。逆にネットワーク越しに100Gも使うかどうか疑問も残る。それでも、サービスとしては順調のようだ。 ところで、システム関係者ならDropboxを自前でやりたいと思う人もいるだろう。そんな向きに最適なのがownCloudである。 ownCloudはオープンソースのファイル共有サーバーアプリケーションである。有償版もあるが無償版でもほぼ全機能を利用できる。2012年10月11日に最新バージョン4.5.0がリリースされた。